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西岡特任助教の臨床写真
西岡特任助教の臨床写真がNew England Journal of MedicineのIMAGES IN CLINICAL MEDICINEに掲載されました。
Tongue Ulceration from Cytomegalovirus Infection.
Nishioka R, Kawano M.N Engl J Med. 2020 Jul 2;383(1):67.
身体所見の重要性は専門領域を問わず普遍的なものですが、全身に亘る様々な症候を日常的に診るリウマチ膠原病内科にとっては特に重要なスキルと言えます。
全身を隈なく診ていると日常診療の中にも驚くべき発見がたくさんあります。私が研修医の頃、そのおもしろさを教えてくれたのがリウマチ膠原病内科の先輩方であり、また自治医科大学の大先輩でもある松村正巳先生でした。
本報告はANCA関連血管炎の治療中に生じたサイトメガロウイルス(CMV)感染による舌潰瘍の一例です。問診の際、喋りにくそうな様子が気になり口腔内を観察すると舌に地図上に分布する深い潰瘍が認められました。これまでに見たこともない舌の所見に驚きましたが、初期研修の頃に消化器内科で見たサイトメガロウイルス腸炎と様相が似ていることに気づき、「もしかして…」と思い舌生検を行うと炎症細胞浸潤と共に核封入体が認められ、抗pp65抗体による免疫染色でCMV感染が証明されました。
こういった形で発表できたのは幸運という他ありませんが、日常診療に於いて身体所見を丁寧にとることの大切さ、おもしろさを伝える為のメッセージとなれば幸いです。